いしはた・てつお:1950年石川県輪島市生まれ。約20年の京都生活を経て、1992年に輪島に居を移す。以来、漆器づくりの道に入り、現在に至る。『白木地に糊状の下地漆を塗り重ねて表面を平滑にする』という一般的な方法でなく、口縁に布着せして目止めを施し、漆を直に重ね塗りする技法を採る。そうして作られた器は堅牢で、欅の木目が器肌に透けて見え、その微妙な映りが美しい。輪島の伝統技法を用いながら古き趣味に偏らず、いわゆる『流行りもの』に走らず、今日の食卓に適う器づくりを、実作を通して提案している。
(撮影協力:
株式会社タニハタ(組子)・
403新宿ギャラリー)