長辺163mm 短辺108mm 高35mm
素地は、以前からウェブサイトで紹介している『染付兎紋分銅形皿』と同じです。呉須の下絵付けを施さず、青磁釉を掛け焼成しました。加飾方法が違うので両者は印象が異なりますが、二つ並べると(四枚目の画像)良いコンビネーションです。元々はあのみっちりした絵柄を活かすのための分銅皿ですが、複雑な面が数多くあるため、青磁釉の濃く掛かったところ、淡いところ、焼成中に釉薬が流れて溜まり、ひときわグリーンの深いところなど各所に変化が現れ、ちいさなうつわですが見飽きません。
『青磁に口紅(鉄釉でうつわの縁取りをすること)』は、本家・中国の典型的な意匠でもあるので、相性はきわめて良好です。そういう目で見ると、この分銅皿にはたしかにシノワズリがただよっています。宋代にオリジナルを持つような風貌。中華風な使い方、シューマイを2つ3つ並べるとかエビチリを小分けにするとか、そういうのは青磁の独壇場ですね。ジェイドグリーンは塩辛や佃煮、金山寺など暗褐色した酒の肴もきれいに見せます。カブやナスのお新香も合いそう。いろいろ使ってお試しください。