口径63mm(底の径49mm) 高87mm
今回の『さざなみ』のメインになっている色は緑で、しかし四種類の緑が混ざっているので、あまりミドリミドリした印象ではありません。そこに黒と二種類の茶色が入り、ごく小さな面積で黄色が入っています。この黄色が絶妙なアクセントになっており、黄色が見える側(かなりカラフル)と見えない側(渋い配色)で、はっきり印象が異なります。うつわに表裏ができる『立ちもの』ならではの面白さを生んでいます。練り上げ、というと、総柄で同じパターンの繰り返しだと思いがちですが、作り手の工夫しだいでこういうことも出来るという好例ではないでしょうか。
粘土を筒のかたちに巻いているので、合わせ目が当然あります。ふだんはそこが目立たないように柄合わせを工夫していますが、このカップは色紙を貼ったようにスパッと切り替わっています。その模様の切り替えも見どころと考えて、作られているように見えます。数多く『さざなみ』を作りながら、なお意欲的に表現方法を探るハラダマホの熱意が、このカップに込められています。どうぞ、お楽しみください!