口径60mm 高57mm
内側に見える模様は、こんなに小さなうつわでも周りを囲まれる感じに見えます。お酒を飲みながら酔った目で眺めたら、サイクロン効果さらにアップ!は確実です。
ぐい呑みやカップなど深さのある練り上げのうつわは、石膏の型に素地を巻いて成形するので、接合面が出来ます。コーヒーカップやマグなどハンドルのあるものは、そこにハンドルを付けて接合面が目立たないように工夫します。カップなどは一周廻って接合面で模様が合わさるように計算して素地を積んでいます。しかしこの『サイクロン』のように流動的な模様では、どうしても合わせ目が目立ちます(それも練り上げの特徴なので、欠点ではないんですが)。そう思ってあらためてこのぐい呑みの接合面を見ると、ひと目では分からないほど上手く繋がっています(4枚目の画像参照)。まあイジワルな目で探し出せば見つかりますが、とても自然な感じで流れていて、文句のない仕上がりです。これは偶然生まれるものでなく、作者の細かい気遣いと優れた技術から作り出されるものです。
ハラダマホの練り上げは、色使いや模様の印象から一見アートに見えますが、積年の技術と綿密な計算から生み出される工芸である側面にもご注目ください!