長辺110mm 短辺105mm 高27mm
清々しさを感じさせるたたずまい、キリッとした造形……。小皿を表現するには少々大袈裟な気もしますが、白磁桃皿から受ける印象がまさしくこれで、昔の祭器や神仏具はこのような清新性を内包していたのではないか?と想像させるうつわです。
浜野さんは下絵でも上絵でも絵付けが大きな魅力になっていて人気があり、それは商売をしている側にもたいへんありがたいのですが、一方で糸切り成形という江戸時代初期にいったん現れ、しかし数十年で途絶えてしまった成形法をほとんど独力で研究し、現代に再現した知識と技術を持った作家です。そして洞察力と想像力にも富んでいます。江戸時代の職人が使った道具を見て、どんな手順でどう使ったのか……といろいろ推理して、それを元に試作するのが好きなのだそうです。そうして生み出されるうつわは手作りの温かみを感じさせる一方で、内側からパンッ!と張り詰める充実感に満ちています。
食卓にこの桃皿を一枚置いただけで、周囲の気配が一変するのではないでしょうか?ぜひお試しください。