直径227mm 高38mm
10年以上前にゼンマイをモチーフにした練り上げ中皿がありましたが、今回はワラビがプラスされました。以前のゼンマイ中皿は背景が白でコントラストが明確でしたが、今回は全色の明度彩度が極めて近く、こんな配色で練り上げ模様を組むのはハラダマホくらいじゃないか?そのくらいユニークな色合いをしています。練り上げを組んで二十数年、ハラダさんの練り上げ作品の中でも変わった作風が際立っています。灰茶色の背景が酸化焼成の絵唐津みたいな色味で、鉄絵具でワラビを見込みに描いた絵唐津の皿がありますが、それを制作のヒントにしたのかな?とも思いました。以前、石黒宗麿の絵付けをなんとか練り上げに翻案できないか?と奮闘している時期もありました(『干柿』のパスタ皿や『田にカラス』の豆皿など)。
一見、無地に見える灰茶色の素地にも細い白線が入っています。ワラビとゼンマイの模様はアフリカの泥染めのようで、活き活きした生命感があります。