口径100mm 高37mm
この模様は小鉢専用に作られています。『網代(あじろ)』と一般に呼ばれていますが、ハラダさんは『格子』としていました。それが今回の納品書では『白帯』に……。作者に確かめましたが「この柄は年季が入っているけど白帯ということで」とのことでした。ちなみに柔道の白帯着用は入門者で、有段者は黒帯。しかしこれも五段までで、六段〜八段は紅白、九段と十段は赤、だそうです。最上位で赤帯になり入門者の白帯と対になるのが面白い。
この小鉢は二十数年作り続けている、ロングセラーの筆頭格です。今回ひさしぶりに見たのですが、以前よりも締まった感じがして、端正な印象を受けました。「同じ模様をずっと作り続ける意味が分かった」と最近ハラダさんが言ってましたが、長いあいだの修練で会得したものが成果となって自ずと作品に顕れたのだと思います。
黒地のうつわは白っぽい惣菜と相性がいいので、冷や奴や白和えを盛ると美味しそうです。納豆を掻き混ぜるのにもちょうどいい大きさです。