長辺110mm 短辺105mm 高27mm
桃皿は当ウェブショップで何回か紹介してきましたが、今回は桃の実の輪郭を鉄絵具で縁取って葉の部分は白いまま、と意匠が変わっています。うつわのかたち大きさは同じですが、ずいぶん印象が異なります。呉須で葉が描いてあったものは、たっぷりした濃み(だみ)が桃の柔らかな雰囲気を醸していましたが、今回はピリッとした感じがします。緊張感が増した、というか。しかしこれは意匠の違いだけではなさそうです、素地の繊細さ優美さが以前より際立って見えます。作者に尋ねたところ、かなり思いきって薄くしたとのことです。削ったヘラ跡がそこここに見られます。注意深く手をかけて丹念に仕上げているのが見て取れます。高台もキリッとしています、見応えがあります。ぜひご注目ください。
もちろん、これ一枚でもじゅうぶんに楽しめますが、染付で葉の描いてある別ヴァージョンと並べたら、その対比の面白さでさらに楽しさが増すことでしょう。5枚組で桃皿をお持ちの方が1枚これを混ぜてコーディネートしたら、口紅桃皿が切り札になり骨董趣味が一段と深まります。なので浜野さん、また桃皿を作って送ってください。これは業務連絡に類することでした……。