直径92mm 高60mm
円筒形のうつわに絵付けするときは、絵柄を横にやや伸ばします。そうしないと仕上がりが若干細って見えてしまうそうです。同じ絵柄でも蕎麦猪口と皿とでは、別の原画を作るということです。横に伸ばす、その程度は感覚的というか経験で得るというか、特に下がすぼまって上に行くほど開いているうつわ(蕎麦猪口も少しそういうかたち)は、原画を扇状に作ってより自然に見えるように調整していく、という手間のかかる作業です。
『縦長に細く見える』で思い出しました、うぬぼれ鏡というのがあるそうですね。縦にゆるくカーヴしているので、映る姿が若干ほっそりして己の紳士淑女ぶりに見惚れる鏡があるとか。それと同じ原理です。
浜野さんの描く絵柄は自然でのびのびしているから、さぞ自由闊達に筆を運んでいるんだろう……と想像してしまいますが、実は手間をかけた下仕事がその裏にはあるのです。しかしだからといって、画一的システマチックに流れないのが浜野さんの凄いところで、今回の蕎麦猪口3つもよく見るとそれぞれ違いがあります。だから3つ分けて紹介しているのです。