直径96mm 高210mm ※共箱共布付
浜野まゆみの作品中、もっとも高額な部類ではないでしょうか。手間暇かかるので制作数も少なくあまり見る機会がありませんが、浜野さんの個展でこの手の作品を見るたびにWebShop草堂でも一度取り扱いたいと思っていました。念願かなってこのたび、この花入れがやってきました。作者に感謝しています。
首のやや長い、瓢(ひさご)形の花入れです。大きめな徳利くらいの寸法です。造形も加飾も典型的な古伊万里様式ですが、随所に浜野さんらしさが漂っています。端正な絵付けにまず目が行きますが、瓢のかたちがとても綺麗です。浜野さんは、四分割したパーツを接着してこの形を作るそうです。よーく見ると、胴などに接着の名残の跡が見えます。以前、四方山話をしている折に「江戸時代の職人さんに見られても恥ずかしくないものが作りたい」と浜野さんが言ったのを覚えています。うつわ作りの物差しが今でなく、古伊万里が盛んに作られた江戸初期にあるのでしょう。一方で過去の名作をたくさん見て自分の作品作りに生かす、これは現代人のメリットです。浜野さんの言葉は「もし江戸時代に行けるなら、その頃の職人さんと勝負してみたい!」と言っているようにも聞こえます。
徳利として使うことも、もちろん出来ます。うつわの肩から首を酒が通過するときに「ぽこぽこ」可愛い音がします(浜野さんの手紙に「ぽこぽこ」とあったので採用しました。すこし変?と思ったけど、うーん、確かにぽこぽこ言っとるよ……)。