直径275mm 高36mm
練り上げ技法は手間と時間のかかる、それでいて歩留まりが極めて悪いものだ。ということをハラダマホの作品解説に繰り返し書いてきましたが、大皿『首飾り』はそれが端的に現れた作例です。練り上げ独特の密度の濃さ、ソリッドな質感が魅力といえば魅力、からだの調子が良くないときに見たらクラクラ来そうな濃厚さに満ちています。幾何学模様を緻密に組み上げるのがハラダさんの練り上げの特長ですが、その中でも『首飾り』は際立った仕事ぶりが窺えます。ガーンジー島の漁師が仕事着にしている、本場のフィッシャーマンセーターみたいな迫力を感じました。
ウェブショップで『首飾り』を紹介するのは二度目ですが、前回とは逆パターン(前回は左側が開いている)になっています。両面に模様が現れる練り上げならではの表現です。
ちなみに、昨年5月に千葉県南房総市のフリー・スタイル・ファニチャー Dew で開催した『ハラダマホ 練り上げのうつわ展』案内DMの絵柄に選ばれたのが『首飾り』でした。このパターンをイラストに描き起こすのは、かなり大変だったのでは……とイシバシミキコさん(ミライ・デザイン)のご苦労がしのばれます。