口径80mm 高53mm
やや小振りな白磁の蕎麦猪口五客です。無地に見えますが、うつわの両面にカタクリの紋様を白土で型紙刷りしています。うつわの白とカタクリの白は若干違うからよく見れば分かりますが、White on White なので10人中8人は気がつかないのでは?と思われるトリッキーな装飾です。じんわりと浮かび上がって何か見える、という不明瞭さ(?)が作者のセンスと技術の高さを感じさせます。出来上がった作品は本寸法の古伊万里に見えますが、成形でも加飾でも窯焚きでも、浜野さんは制作の過程でけっこうギリギリを狙ってきます。だからそのたびに様々な面白さを持った作品が生まれるのだと思います。
型紙で刷られた白土のカタクリの上に、釉薬の流れ、溜まりが重なり景色を作っています。白い無地の蕎麦猪口に見えますが(画像も同様ですみません……)、目を近づけるといろいろな発見があります。素地が薄いので、民陶風の厚手な蕎麦猪口と手ごたえが違います。口縁も薄手ですっきりして口当たりがよく、お茶はもちろん日本酒やワインも合うと思います。さまざまにお使いください!