口径52mm 高57mm
虎の絵柄は、いままで湯呑みを五客紹介していましたが、今回は初めて筒猪口です。同じ絵柄ですが、うつわの大きさが違うと印象が変わります。足先から尻尾までギュ〜っと力が詰まった感じです。ぐい呑みからはみ出しそうな迫力です。出てきたら一休さんの頓知話ですが(「それでは衝立から虎を追い出してください!」というやつ)。
浜野さんが描く虎は、色絵の虎としてもっとも有名な柿右衛門を連想させ(しかし見比べるとかなり違うということが分かる)、その点では伝統的でシンボリックな紋様に見えますが、筋肉の柔らかさやがっちりした四肢、李朝の民画を想わせるイキイキした表情など、ネコ科動物の本質を押さえたリアリティーを感じさせます。技術と感性が高い次元で融合した浜野まゆみならではの、赤絵の虎をお楽しみください。今回の虎は、特に金彩の発色がはっきり出て豪華です!もちろん、本金です。金が曇ってきたら、柔らかな乾いた布でやさしく磨いてください。輝きが戻ります。
しかし、ぐい呑みの柄が虎とは……、大トラにならないやう飲み過ぎに注意しませう!