キャンバス アクリル絵具
額のサイズ:93mm×72mm×18mm
絵のサイズ:60mm×38mm
イシバシミキコの描く猫は(手ぬぐいの柄に描かれた三匹もそうですが)、可愛くないというわけではないけれど(微妙な言い回し……)なにか企んでいるようなイタズラしそうな、一筋縄ではいかない様子です。実物の猫もなかなか油断ならない奴らですが。しかし一方でみょうに幼稚なところがありますね!なに考えているんだろう?と見ていると急に毛布で乳揉みを始めたり、自分の尻尾にじゃれついてクルクル回ったり。何か考えてる、と見るのは人間側の思い過ごしで、根っこは意外と単純なのかも。そんな相反する猫の性格、表情をイシバシさんはたくみに捉えています。身近に猫がいる方は「そうそう、猫ってしょっちゅうこんな顔してるよね!」と、思い当たるに違いありません。
印刷物やデジタル画像では出しにくい、微妙な色彩や描線のニュアンスが肉筆画にはあります。この絵でいうとイエローオーカーとグレーの混ざり具合が画像で見るよりもっと溶け込んだ色合いで、きれいです。アウトラインの濃淡もふわっとした感じで、猫の柔らかい質感に似ています。そして何より存在感が、プリントとは違います。小さくても目に留まるのは、そのせいでしょう。