口径133mm×126mm 高87mm(共箱 共布付)
茶碗の右側に薪の灰が付着して、片身替わりのように白く発色しています。なかなかのインパクトですが、鉄絵具で飲み口を縁取っただけのシンプルな絵付けと引き立て合い、明快なコントラストを生んでいます。
ちなみに、この絵唐津は一名『皮鯨』とも言い、そのココロは胴を輪切りにしたクジラに見立てたそうです。名付けた茶人はなんとも気宇壮大というかホラ吹きというか、そういうことを茶室で友達と言い合って面白がっていたのでしょう。
実際に採寸してみると、思ったほど大きくなかったので少々意外な気がしましたが、それはチマチマと小さくまとまっていない証拠です。競走馬でも馬体重450キロ前後の中型ながら、動きがダイナミックで大きく見えるサラブレッドは走る、といいます(例:ルージュバック)。もっとも、お茶碗は走りませんが。お茶碗の値打ちは内側です、見込みがどーんと深くて迫力を感じる茶碗はいい茶碗です。
釉薬が流れて、または溜まって生まれた景色、高台付近の鋭い削り出し、酸化焼成独特の明るいオレンジの土色。吟味された陶土と釉薬、熟練した技、炎の恵みによって生み出されたこの絵唐津茶碗で、唐津の醍醐味を堪能してください!
※追加画像があります。そちらもご覧ください!