口径102mm 高48mm
最近の作品の中では『首飾り』(四角小皿)と並んでの話題作です。関係者のあいだで何かと論議の的になっています(ごく一部で)。色が微妙な中間色なのも『胞子』っぽさを上げています。色の表現力って凄いね!と思いました。ピエロ、バロン、イーグルなど内輪受けしたものは、えてして火の付くのが遅いのですが、『胞子』は果たしてどうでしょうか?売れてほしいけど、売れなくても諦めがつきます(諦めてどうする?)。
この単純化されたリアリティーは、熊谷守一の絵画を連想させます。守一は地面に当たる雨粒を凝視して、ハイスピードカメラで撮影したようなその一瞬を、シンプルな色彩で描き上げました。本質を衝いた表現は、単純な図形や色彩であるほど『一度そう見えたら、そうとしか見えなくなる』と、呪文のように心を捉えます。このティーカップが胞子まみれに見え始めたら、お客さまの心を捕まえたということで間違いありません(?)。