口径125mm 高75mm ※共箱付
片口は、日本酒がまだ濁っていた頃に徳利の役目をしていた注器です。お酒以外にも、飲みものや液体の調味料などを入れて注ぐのに使っていたのでしょう。縄文時代から作られていた器のかたちです。
料理を盛り付ける小鉢としても、片口は人気があります。いまは注器としてよりも、盛り鉢としての需要の方が多いかもしれません。もちろん、注口の出来がよければ本来の『注ぐ』役目もりっぱに果たすので、注口の造りの確認をするのも、よい片口選びののポイントになります。
うつわ全体がマットな質感です。カセた感じはしません、しっとりしています。使い込むうちに変化が現れて、日々楽しめます。釉の縮れや『縮緬高台』など、唐津の特徴が随所に見られます。
地曳網の絵柄は、古唐津の筒茶碗にオリジナルがあります。『〇△□』(まる・さんかく・しかく)ともいわれる絵唐津の文様にしては、かなり複雑というか具象表現というか。高台付近の釉薬の縮れが、波打ち際の砂浜のように見えます。裏に描いてある鳥が、絵唐津でよく見る千鳥ではありません。地曳網のオコボレを頂く、といったらカモメですが、そうではないようです。クチバシと脚が長いので絵柄は違うものの、やはり千鳥ではないでしょうか。想像力を働かせてご覧ください!