長辺160mm 短辺100mm 高35mm
分銅形の複雑なかたちの素地に細かい絵付けで、とても仕事量が多い染付皿です。「いま作っているうつわの中で、いちばん複雑な形状の皿です」と、作者自身が言っていました。濃み(だみ)描きの『桜に青海波』に、口紅(鉄釉の縁取り)の施された幅広の縁が、なかなかの立体感で迫ってきます。
縁の絵柄には結界の意味があるそうで、だとすると、見込みに描かれた『波に兎』の絵は『別世界』の光景でしょう。兎は古来中国で霊力が備わったものと考えられていました。そして月の使者です。なるほど霊力の強そうな生半可でない顔付き、耳の先から踵までエネルギー溢れる姿です。江戸時代の、特に初期の兎はこういう顔をしています。うつわの外側には、梅の花が描いてあります。
この染付皿は「使いまわしが出来そう」「和にも洋にも」など、用途優先の理由でお勧めするうつわでないと思います。小振りですがラクラク主役が張れる、かなり手強いうつわです。存在感がちょっと違います。
お手許に置いて毎日眺めながら、使い方をじっくり考えてください。なにも載せずに食卓に置いて「さあ、どうする!?」とその日ごとに悩むのも、楽しい(?)と思います。
※五客セットでの販売です。単品の販売はありません、ご了承ください。
※一枚ごとに撮影した画像をメールでお送りします、ご希望の方はお申し付けください。