直径142mm 高30mm
以前のくちなし皿は白磁に口紅の糸切り成形でしたが、今回はろくろ→型打ちで成形されています。寸法もかたちも少々違いますが、何より違うのは薄瑠璃釉がかけてあることです。薄瑠璃釉は施釉がむずかしく、わずかな指跡が素地にあっても釉ムラを起こすそうです。茶碗やぐい呑みは高台付近に指跡をわざと残して『景色』と見立てますが、皿の見込みに指紋がペタペタ付いていたら興醒めでしょう、食器としてどうよ?ということになる。指跡も時と場合によります。
薄瑠璃釉は釉溜まりがより目立つ。これも扱いにくい点に挙げられます。適度な数、大きさの釉溜まりは程よいアクセントですが、全てをコントロール出来るわけでなく、焼き上がった後でないと目視できない難しさがあります。各人の好みはありますが、くちなし皿には作者の美意識と手業が感じられる釉溜まりが控えめに出ていると思います。
ろくろ成形は、糸切りと違って高台の高さ厚さが削り出しで自由に作れる、とのことです。たしかにボリュームがあり安定感のある高台です。