直径168mm 高63mm
仏手柑の絵柄について書いていたら、ドイツ陶磁で有名なブルーオニオンを思い出しました。18世紀はじめ、ドイツを中心にヨーロッパでも中国や日本のやきものをお手本にして陶磁器の製造が始まりました。そのときオリジナルの絵柄である柘榴が彼の地にはなかったので(それかポピュラーでなかった)、「これは何だ?形からしてタマネギだろう」と類推した結果、ブルーオニオンが誕生したという言い伝えです。我が国でも江戸時代まで実物の虎を知らずに、毛皮や猫を観察し想像で絵に描いていたから似たようなことをしてました。ちなみに柘榴は中央アジア原産で、シルクロードの交易によって古くから中国に持ち込まれたのでしょう。そういえば唐三彩のモデルになっている馬は筋肉隆々で足の長いアラブ馬(足の速い馬は当時の最新最強兵器)ですが、シルクロード経由で中国に持ち込まれた(持ち込みの元祖?)と思われます。シルクロード凄い!ですね……。
※輪花鉢の素地は、佐賀県有田町の白磁作家、庄村久喜が20数年前にロクロ挽きしたものです(高台内に名が彫られています)。「何を描こうか?」と、素地を前に浜野さんが思案しているうちに20年以上経ってしまった、とか。仏手柑が描かれて、世に出てよかったです。