長辺105mm 短辺58mm 高18mm
この絵柄は輪花鉢のモチーフになったり、手びねりの豆皿に描かれたり、浜野さんの作品の中で以前からおなじみです。五節句の人日(じんじつ・一月七日)、上巳(じょうし・三月三日)、端午(たんご・五月五日)、七夕(しちせき・七月七日)、重陽(ちょうよう・九月九日)に因んだ品々を描いたあわび皿の五枚組です。五節句は中国から渡ったお祭りですが、日本ではそれぞれに七草粥、桃の節句、端午の節句、たなばた、菊の節句として親しまれています。
鮑(あわび)もそれ自体が縁起の良い食材です。落語の『鮑熨斗』にもあります。大家さんの息子の婚礼が決まったというので、おカミさんに五十銭を渡された甚兵衛さんが縁起の良い魚を買いに行きますが、お金が足りなくて尾頭付きの鯛が買えない。そこで鮑を買って大家さんとひと悶着……という噺です。五代目古今亭志ん生の、歯切れがいいんだかわるいんだか判らないグニュグニュした啖呵が印象的な落語で大好きです。
五節句は、それぞれの行事に因んだ節句料理というものがあります。人日は七草粥、上巳は菱餅と白酒(ひなあられは?)、端午は関東では主に柏餅で関西では粽(ちまき)だそうです。七夕は素麵、重陽は菊酒(盃に菊を浮かべた酒)。そうしてみると、節句料理ににふさわしいうつわがあっていい。そういうわけで五節句を網羅したあわび皿五枚組、いかがでしょうか?