直径240mm 高70mm
ハラダマホ畢竟の名作、タマミ再入荷しました!しかしWeb Shopではこの一枚が最後です。今度のタマミは逆向きです。石膏型に当てて成形するとき、素地のウラオモテを逆にすればこうなります。これを見て左馬(ひだりうま)を思い出しました。陶芸家は新しい窯を築いたとき、縁起のよい左馬(馬の字を裏返しに書く)の作品を窯詰めして窯焚きの成功を願います。
日本の競馬場には右回り左回りの両方があって、競走馬も右利き左利きがいます。タマミは桜花賞をはじめ、スプリンターズステークス、阪神四歳牝馬特別など大きなレースを勝ったのは中山、阪神など右回りばかりの右利きでした。してみると左馬のタマミは希少です(?)。前回、三ヶ月前にハラダさんから大鉢が届いたとき、懐かしくなってタマミのレース映像をネットで探しました。勝ったレースだけでなく負けたレースも。一番人気で大敗したオークスも見ました。この時のタマミのレース振りが凄かった。3コーナー辺りで後続馬群に呑み込まれ、もう勝ち目なし……となりながら、再び加速して先頭を奪い返します。その闘志といったら!こんなレースだったなんてすっかり忘れていたよ!!4コーナーを回り切ったところで力尽きますが、負けたとはいえ桜花賞馬、一番人気の矜持を見せたあっぱれな散り際でした。ドロンコの不良馬場に脚を取られながらもう一度盛り返していたなんて、三歳牝馬とは思えぬ根性、やはり並みの逃げ馬ではなかったのでした。あの時代にタマミやアローエクスプレスなどの名馬の出現がなかったら競馬をこれだけ長いあいだ見続けただろうか?とあらためて50年前の出会いに感慨を深くしました。今回も競馬のことばかりでごめんなさい。