口径67mm 高77mm
うつわの成形も絵付けもたいへん手の込んだ、湯呑みか筒向付の寸法に相当する小品ですが、浜野まゆみ独特の意匠、技術の高みを堪能できる作行を示しています。このレベルの作品を恒常的に作りながら、画一的な仕事へと硬化しないところに浜野さんらしさが見えます。ひとつひとつのうつわが自らの個性を主張しています。
別の作品の話になりますが、兎紋分銅皿(これも浜野さんの人気アイテム)はその窯ごとに呉須の発色が変わります。澄んだコバルトブルーのときもあれば重厚な黒みがかった上がりのときもありますが、そのどちらとも良い。明るい清々しさ、うねるような力強さ、いずれも浜野さんの作品が持つ魅力です。
この絵柄は、おおよその輪郭を複写してそれを手掛かりに絵付けしてゆくのですが、猪口それぞれが微妙に枝ぶりが違い、咲いた花のかたちやつぼみの数や場所が異なります。それを見ていただくため別個に掲載しています。お気に入りを見つけてください!