長辺110mm 短辺105mm 高27mm
浜野さんが桃皿を作り始めておよそ二十年たちました。それは草堂の歴史とほぼ重なります。そういう訳で浜野さんが作るうつわでは、この桃皿をもっとも多く見てきました。当初から完成度が高かったのですが、六年前に製作の拠点を唐津へ移して以降、いっそう力強さが増しました。浜野さんは同じアイテムであっても作り込むほど古伊万里の源流を遡っている、と桃皿の新作を見るたびに思います。分かりにくい喩えかもしれませんが、二十年前の桃皿は江戸中後期の、最近のものは江戸初期の雰囲気を帯びている、という印象を受けます。古伊万里の理想像が浜野さんの中に明確に捉えられている証でしょう。
今回、浜野さんから五枚の桃皿が届きました。どれもいい上がりです。呉須の発色や釉調が揃っていますが、五枚組でなく敢えて1-2-2にしました。まず一枚でも二枚でも買っていただいてお手許に置いて、毎日使いながら「いいなあ」と実感してほしいと思いまして、このようにしました。よろしくお願い申し上げます。