155mm×155mm 高27mm
この練り上げ四方皿は、白い地の部分にたいへん手間がかかってます。小さな三角形・四角形のピースが複雑に組み合わさって白地を構成しています。作業によほど手を焼いたようで「二度とやらない」とハラダさんが言っていました。その宣言どおり(?)、風車およびこれに似たパターンはその後生まれていません。真に唯一無二といっていい練り上げ模様です。また、全体がこれだけ淡い配色のみで構成されているものも珍しいと思います。
ハラダさんは新しいパターンを作るとき、色鉛筆で方眼紙の桝目を埋めながら着想を一つのかたちにまとめていきます。アイデアスケッチと設計図が同時進行しているかのようです。その後、実際の製作に移りますが、手を動かして初めてわかる問題点が浮かび上がります。『風車』の複雑に入り組んだ白地の部分が、まさにそれです。ある程度は手がかかると予想していたが、これほど大変だとは……。という成形の苦労があり、乾燥・素焼き・本焼成で割れやヒビが生じるので、歩留まりはいいときで50%、中には10枚作って1枚しか取れないこともあります。そういう中から生まれる一枚、と思し召しください。