口径110mm 高62mm
色絵虎紋のアイテムは湯呑みや猪口(ぐい呑み)をウェブショップで扱ってきましたが、この碗は初めてです。小振りなめし碗、または小鉢に、といろいろに使える大きさです。鍋の取り鉢(トンスイ)にも良さそうです。この碗に卵を溶いてすき焼きを食べたら、うしとら丑寅になりますね(?)。丑寅は北北東の方角、いわゆる鬼門です。家康は江戸開府にあたり、北北東の方位である日光に東照宮を祀り、鬼門封じをしました。
うつわの話に戻ります。やわらかさを感じる色調の白磁碗で、釉薬の溶け具合も落ち着いています。高台が末広がりの、いわゆる撥(ばち)高台で、李朝の祭器を連想させるフォルムも魅力です。
浜野さんの作るうつわ、特に絵付けはクラシカルな格調と風通しのいいモダンな明るさ(モダンは古いか……)両方のよさがあります。赤絵のトラも古典を見本にしていますが、伝統の良さを保ちつつイキイキした雰囲気があり、型にはまらない躍動感があふれています。そういう意味で、お手本は古典にありますが、現代の工芸といえるでしょう。