口径136mm 高28mm
六角皿は、浜野さんが作陶の仕事を始めた初期から手掛けていたアイテムで、その中でも『菊に流水』は『万年青』とともに18年前からある、懐かしい柄です。うちの母は浜野さんの作品中、六角皿がとくに好きで、お正月になると『菊に流水』にカマボコ、『万年青』に黒豆を盛り付けて「これだけで立派なお正月だね!」と悦に入っていました。そんなわけで、『菊に流水』には個人的な思い入れがあり、浜野さんが六角皿の『菊に流水』を再び制作してくれて有難い、とまたもや私的な感想で、ほんとうは僕が欲しいくらいです。
4枚目の画像をご覧ください、『つ』のかたちの小さな釉の縮れがあります。二度窯で焼き直せば釉薬が溶けて消えますが、全体の釉薬の調子が変わってしまいます(明らかにツルツルになる)。どっちを取るか考えて、浜野さんは「釉切れがあっても、この釉調で」と、二度窯を止めたそうです。釉薬が全部溶けたうつわはたくさんありますが(当たり前か……)、このみずみずしい仕上がりはたしかに捨てがたく、その点に納得賛同していただける方に、よろしくお願いします。