口径136mm 高28mm
六角皿は、浜野まゆみの『糸切り成形』の原点、ともいえるものです(詳しくは六角皿Bの説明文参照)。
皿の文様にふしぎな遠近感があります。その正体?はたぶん釉薬の層に封じ込められた細かい泡だと思います(4枚目の画像)。呉須の発色は釉で流れることもなく明瞭ですが、泡のフィルター効果で水の中の菊を見るような雰囲気が出ています。水くぐるとは。『ちはやふる』では「くぐる」と言っていますが、ほんとうは「水くくるとは」、絞り染めの『括り』のことです。落語のこじつけに本当とかウソとか言っても何にもなりませんが。
この流水は、菊の花びらに溜まった露があふれ出したもの、という話を聞きました。この露を飲むと長寿にめぐまれるとか。旧暦九月九日の重陽の節句に、盃に菊を浮かべて酒を飲むのも同じ謂れかもしれません。流水は龍のメタファーだとも言います。おめでたい柄なので、晴れの席のごちそうにお使いください。お膳がますます華やぎます。