長辺215mm 短辺108mm 高36mm
『雨漏り』のような景色が見込みに広がっています(4枚目の画像参照)。一年半前に紹介した『白磁六角猪口B』にも似た景色が出ていました。浜野さんは職業上の必要から、というよりそれ以上に古陶磁について研究熱心で、古伊万里の純粋な愛好家でもあります。それも鑑賞するだけでなく、「どうやったら、こんなものが作れるだろうか?」という眼差しが常にあります。古陶磁の繊細な表情をじっくり観察して、みずからの制作のヒントにする努力を怠りません。
今回の『雨漏り』もそうした過程から生まれました。。というと、初めから『雨漏り』を狙って焼成したように聞こえますが、そうではなく、1600年代のやきもの作りに倣ったらたまたま『雨漏り』が現れた、というのが真相のようです(その時代の古伊万里に『雨漏り』状の景色が出ているそうです)。しかしそれを偶然で済ませないのが浜野さんの神髄で、「多分この工程が強く作用しているのではないか」と試行して、そのコツをほぼ掴んだとか。窯出しして『雨漏り』を見つけたときの、浜野さんの嬉しそうな笑顔が想像できます。まあそうは言ってもシミに見えるこの景色を喜ぶのは、よほどの物好きか変り者でしょう。求ム物好き!ふつうにきれいな長皿をお探しの方にはお勧めしません。「お、こういうのも良いんじゃない!?」と思った方限定でお願いします。