口径53mm 高59mm
浜野まゆみの猪口やぐい呑みを見るたびに「磁器でもいろいろあるな……」と改めて思います。この色絵猪口は印象がかなり『濃い』感じです。呉須や上絵具の発色が全体に濃い、ということもありますが、降りものの様子が何と言っても『濃い』印象を強めています。降りものは、窯焚きの灰がうつわに付着したもので、磁器では通常嫌われますが(というよりガス窯や電気窯ではそもそも発生しない)浜野まゆみの作品の中では大きな魅力になっています。
浜野さんの作る筒ものは、ぐい呑み、猪口、湯呑みの順に大きくなります。ぐい呑みの口径が40mm、猪口は50mm、湯呑みは60mm前後です。このくらいの寸法のうつわでは10mm直径が変わるとほとんど別物です。見た目も違いますが、手取りの感じがはっきり違います。
口縁に描かれた紋様は線に勢いがあり、胴の降りものと相俟って豪快(?)な雰囲気です。こういう感じを出すのも浜野さんは上手いですね。