口径40mm 高55mm
色絵のぐい呑みを紹介するのは久しぶりだと思います。この桜の絵柄は、ひと目で浜野さんだと分かりますね。散ってしまう桜のはかなさより、ぐいぐい伸びる生命力のほうを強く感じます。葉の感じから山桜のように思えます。『敷島の 大和ごころを ひと問わば……』という本居宣長の歌を解説した小林秀雄の講演がなかなか面白い。僕は新潮社から出ているカセットテープで聞きました。山桜を持ち上げるあまり、「ソメイヨシノなんて、ありゃ草です!」と散々悪く言ってる。この講演ではないが、志ん生のまくらを小林先生がそのまま使っているのを聞きました(禁煙の心得について)。文字起こしをしたものが講演集になって出てますが、文字で読むと支離滅裂なことをけっこう言っているのがバレてしまいます。
浜野さんはこの数年、桜といえばこの絵柄をいちばん多く描いていますが、個人作家の生産量は工場単位工房単位のそれに比べてずっと少なく、このごろはインターネットで検索すれば画像はいくらでも見つかるものの、実際の作品の流通量といったらごくわずかです。当サイトでも、桜紋のぐい呑みは一年半ぶりのようです。この機会にぜひ!