口径62mm 高68mm
『虎』は象形文字です。後ろ脚で立ち上がる虎の様子から生まれました。『虎』の字を見ていると、後ろ脚と尻尾がなんとなく分かります。上半身はかなり省略されていますが。浜野まゆみの描く虎は尻尾が長いですね、魔術師のロープみたいで霊力があふれています。柿右衛門やマイセンの虎はかなり様式的ですが、浜野さんの虎はそうなる前の文様化されていない、かといってリアリズムでもない、不思議なエネルギーに満ちています。『虎』の字が成立した当初、彼らはその字に何らかの畏怖を感じたに違いない。と浜野さんの虎を見ながら、そんなことを思いました。
浜野さんは絵付けをするとき、絵柄や紋様をそこに描く必然性と、その意味を考えるそうです。それは古陶磁を見るたびに「絵柄や文様には、どんな意味が込められているのか」と観察し、繰り返し推理した経験から生まれた思考でしょう。そして、その考えと結びついた制作態度は、明らかに現代の作家だから持ちうるものです。
この虎はAに似ていますが、ほっぺたがやや膨らんでいます、あごも大きくて、喧嘩をしたらたぶんこっちの方が強いと思います。絵の説明になってませんね、すいません。