直径108mm 高262mm(共箱 共布付)
朝鮮唐津は、藁灰釉と黒釉のコントラストが第一の見どころになっています。釉薬の掛け分けはほかの窯業地でも多く見られる意匠ですが、それが茶陶の分野になると何といっても朝鮮唐津に極まります。唐津焼の中でも朝鮮唐津と斑唐津は特に高温焼成されるため、釉調が独特の表情を現し、それがやきもの好きを魅了するのではないでしょうか。
黒釉の掛かった素地に藁灰釉が幾筋か流れている様子は氷柱のようでもあり滝のようでもあり、朝鮮唐津を鑑賞するうえでもっとも重要なポイントになっています。
正面からの画像と裏とのものを見比べると、焼成によってどれほど形状が変化するものかが分かります。胴から腰にかけて自然なカーブで繋がっています。胴がやや丸く膨れていますが、これも数日間加えられた激しい熱作用から生まれました。
造形の豪快さと佗びた静寂さ、対照的な二つの魅力を併せ持つのがこの花入、そして作者川上清美の魅力だと思います。