口径96mm 高153mm ※共箱共布付
黒唐津は鉄を多く含む釉薬を使用します。鉄は釉薬の発色剤として広く使われていて、酸化焼成をすれば飴釉の褐色に上がり、還元焼成をすれば青磁色が現れます。
また、同じ作家の黒唐津でも焼き上がりが色々で、黄褐色で見込みに結晶が溜まったもの、グレーの艶消しで石のテクスチャーに似たもの、紫檀色に近くツヤのあるもの……など千差万別です。
この釉薬は鉄分が多いので熔解温度が比較的に低く、しかも熔けると流れ落ちやすい性格で、立ちものに施釉するときは窯の中で棚板に貼り付かないよう、あまり下まで掛けません。だから下の五分の一くらい土が見えています。何本も筋になった釉薬が土の上を走っているのが景色になっています。
かなり大きめなので徳利としてはもちろん、一輪挿しの花入れとしてもじゅうぶん使えます。