口径82mm 高45mm ※共箱共布付
絵柄がいかにも唐津らしい草花の文様で、かたちはもっともポピュラーな碗形です。しかし、と言うか、だからこそ、と言うべきか、この『標準形』ともいえる絵唐津ぐい呑みをよくご覧頂きたいと思います(画像4点で申し訳なし……)。購入をお考えの(迷っている)方は、唐津焼作家の個展に出向くなり、デパートの美術画廊に行くなりして、他のぐい吞みと比較検討されてみるのをお勧めします。「時間がない!」とおっしゃる方は『絵唐津ぐい呑み』で画像検索してください。さあ、どうでしょうか?
絵唐津に使う鉄絵具は、鬼板と呼ばれる鉄分を多く含む岩板を砕いてすり潰し、水を加えて絵具状にして絵付けします。絵具状、と言うもののペタペタして泥のようです。そのうえ、素焼きの乾いた肌が筆から水分を吸い込むので、筆が貼り付き線が伸びません。シロウトが試すと、へろへろの線かベタッとした塊か、そんなのしか描けないのがオチです。評論家が『自由闊達に、こころの赴くままに……』と、絵唐津の文様を評するのは鑑賞者の視点であって、実際の制作には相当の修練と集中力が必要なのは言うまでもありません(やきものに限らず、多くの工芸に同じことが言えるのですが)。ということを踏まえて、この絵唐津の草木文様をご覧ください。おや!?まあ、なんと自由で伸び伸びしていることか!