長辺110mm 短辺96mm 高27mm
桃の実をかたどったこの皿は、浜野まゆみの作陶歴の中でごく初期からあるアイテムです。その頃、浜野さんは手びねりのごく小さな豆皿をおもに作っていたので(いま考えるとあの手間は大変なものでしたが)、この桃皿や六角皿(菊に流水、万年青の絵付け)が『大物』に見えたものでした(おおげさ?)。
以前の桃皿とかたちや大きさはほぼ同じです。しかし手に取ると違いが一目瞭然、ずっと軽く感じます。浜野さんのうつわは、薪窯で焼くようになってから一段と軽くピリッとしてきました。数か月前に紹介した口紅長皿も「なんでこんなに軽いの!?」と、驚くほどの出来上りでした。
鉄分を多少含む陶土を使用しているので焼き上がりが青みを帯び、表面に黒い斑点が現れます。手織り紬のネップのような味わいで、これも以前の桃皿と違う点です。
高台に描かれた文様も以前は山形を線描きしていましたが、今回は骨描きに濃み(だみ)という、より手間のかかる作業に変えています。そのため、全体の密度がさらに上がっています。
時系列としては逆ですが、十数年前に作っていた桃皿の『原型』をいま作っている、という印象を受けました。そういう意味でもこの桃皿は、浜野まゆみの仕事を知るうえで極めて興味深い物象だといえます。
※六客セットでの販売です。単品の販売はありません、ご了承ください。
※一枚ごとに撮影した画像をメールでお送りします、ご希望の方はお申し付けください。