直径238ｍｍ　高68mm
作者によると『ピース』は平和のPeaceではなく破片や紙切れ、かけらの意味のPieceのほう、だそうです。たしかに幾つかのかけらが重なり合って出来た模様に見えます。そして中央には集積回路のような細かいユニットがバンッ!!と主張しています。
ハラダさんの作る練り上げは、同様なパターンの繰り返し(サザナミ、こうもり、格子など)とランダムに模様が配置がされたもの(かしまし、タマミ、ウィーン発など)がだいたい半々で、『ピース』もこちらに含まれますが、作るのが手間なのは後者です。方眼紙と色鉛筆を用いながらアイデアをまとめる段階で、アタマの中が大混乱を起こすそうです。予定していたデザインがするりと逃げたり、思いもしなかったパターンが浮かんできます。混乱の賜とも言えますが。
ハラダさんが制作する上で磁器土を必須としているのは、白色をより白く発色させて色土とのコントラストを鮮明に出す、という理由です。この大鉢のようにカラフルな作品では白の存在がさらに強調されます。白との対比で色土の部分が浮かび上がります。
磁器土は、陶土に比べると圧倒的に接着性が劣り、成形でも乾燥でも焼成でも割れる、と練り上げ技法には不利な素材ですが、ハラダマホの練り上げには無くてはならない素材なのです。