口径82ｍｍ　高68ｍｍ
ハラダさんの言うところでは「点描湖は、たくさん並べて横から眺めると、素晴らしく壮観な景色になる」そうです。しかし実際の製作数から類推するに、その素晴らしい景色は作者自身も見たことがなく、ハラダさんの脳内に浮かんだ美しい夢である。と思われますが、いかが？
とても似ている二つですが、うつわの正面から見た胴体の模様は『湖上より』の方がより変化に富んで面白いと思います。全体に柔らかい色調でまとめられたところにも、ハラダさん独特の感覚が生きています。『夕なぎ』というカップがありました。光を反射する水面を表現している点は共通していますが、『点描湖』は色使いもパターンも複雑に組み合わさっています。豆皿から大鉢まで、以前の作品に比べると緻密で濃厚な雰囲気のものが増えたと思います。当然、製作にも余計に手間がかかっていますが、その前の段階のアイデアスケッチや模様図面の作成に、以前の何倍も時間がかかっているそうです。