浜野まゆみ 白磁百合形小向付 五客揃

口径93mm 高45mm
その繊細なこと!日常や実用を逸脱した軽さと薄さです。作者に尋ねたら「3mmのたたら(板状にした粘土)で成形して、およそ1mmまで削ります」との答えでした。そのときに花弁の中央(梁の部分)を少し厚く残し、それを拠り所に作業を進めます。これだけ薄いと素地の扱いも大変でしょう?と、再び質問。「風が吹くと、ふわっと飛びますよ(怖いこと言う)。だからといって、つかむことも出来ないし」それはそうだ。「仕上げの水拭きが難しい。薄いから、あっという間に水を吸い込んで、ついホロッと」。高台の削りや釉掛けも、いつも以上に神経を使いそうです。どの工程もやり直しのきかない、不可逆的作業の連続で、常に集中と緊張を強いられます。ヒナが巣立つまでの数週間、心を砕いて世話をする母鳥に、浜野さんが見えてきました……。
しかし、いちばんの疑問は、何故そこまでして薄さにこだわるのか?苦労のもとは1mmじゃないか?と。僕もそれが聞きたかった。その話の始まりは、陶片でした。この小向の本歌に当たる陶片が、百間窯(江戸初期の窯跡)近くから見つかるそうです(浜野さん曰く「わたしのものより、もっと薄手でぴりっとしている」)。その陶片のオリジナル(ややこしい)というべき百合の花は佐賀県有田町の山や野原、人家の庭にも普通に咲いている、テッポウユリに似た小型の百合です。しかも花びらのかたち大きさが、うつわそっくりなんだそうです。花弁の先が丸くなった形状など「ここまで真似するか!?」(浜野談)と驚く造形のリアリズム。であるなら、分厚い花びらはあり得ません。薄いのが当然、それが1mmになった理由です。(納得して、深くうなずく)
「造形もそうですが、もっとすっきりした白を出したい」と、浜野さんは言っていました。その白はもちろん、百合の花を理想としています。江戸初期の陶片に出会い魅せられたことが、この小向を作る動機だったのでしょう。最近、説明文がどんどん長くなっていますが、まだ書き足りないことがあります。54分喋ってましたから(入荷作品についての質疑応答のみで)。まだ、4倍くらいネタがあります。続きはブログ、Facebookで!
販売価格 27,000円(税2,000円)

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関口幸治

店長の関口です。 Web Shop草堂は浜野まゆみ(磁器)、ハラダマホ(練り上げ)、イシバシミキコ(絵ハガキ、手ぬぐい)、石畑哲雄(漆器)、シマムラヒカリ(象嵌)など個性的で魅力ある作品を紹介しています。どうぞ、ご覧ください!